夏はクマノミ

ツッカケ引っかけ チヌ追っかけ

*

『諦める力』に秘められた本当のチカラとは?

      2014/12/02

(はじめに、前々回の続きみたいな話だからちょっと文体を変えてみたよ、っと)

以前、と言っても20年くらい前、フジテレビの『プロ野球ニュース』という番組があり、そこで当時ヤクルトスワローズの監督をされていた野村克也さんが毎日何かを”ボヤく”というコーナーがあった。

例えば、「羽目は大いに外していい。ただし、元に戻れるのなら」などというもの。
「ボヤく」というよりは、「つぶやく」と言ったほうがイマ風か。

覚えている人もいるだろう。
私には、数多くの”ぼやき”の中で、強烈に記憶に残っているものがある。

曰く「才能のない奴はやめろ」

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残念ながらこの日はテレビを観ておらず、友人から聞いた話なので前後の脈絡まではわからない。
ただ、当時「野村監督」といえば、他所のチームから落ち目の選手を拾ってきては、その人の個性を引き出すことで活躍の場を再現する手腕に定評のあった人物だ。

「野村再生工場」と呼ばれたほどの指導者が、簡単に「諦めろ」などと言うだろうか?
そのころの私は、字面通りには受け止めなかった。

「才能があると思うのなら、自分を信じられるのならやめるな、諦めるな!」

というくらいの、逆の意味で言ったのだろうと邪推していたのだ。
だが最近になって、実はそのまんまの意味じゃなかろうか、と思い直すようになった。

「諦めなかったから夢を実現できた」という間違い

『諦める力』(為末大著:プレジデント社)

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為末さんは陸上競技の障害物競争、平たく言えばハードルの選手である。

陸上競技の一つの種目であるトラック競技において、世界大会では日本人初のメダルを獲得し、オリンピックにも3度出場している。

それだけでなく、スポーツを通じて社会や教育に係る仕事を多くされており、著書も多い。
いわゆる「力技」で突き進むタイプではなく、科学的な根拠を持ってきちんと理論的に物事を語れるアスリートだ。

その人が言うのである。

「人生は可能性を減らしていく過程でもある」と。

丁寧に説明するために引用する。

先にも書いた話だが、いろいろな統計を分析すると、26歳から27歳までに日本代表になっていないアスリートが、その後代表に選ばれる確率はかなり低い。ほとんど万馬券が当たる確率と同じレベルである。万馬券を目指してがんばっているアスリートに対しても、周囲の人の目は概して温かい。

「そんな狭き門に挑戦するなんてすごいね」
「何年もがんばっているんだから、次こそオリンピックに行けるよ」
「やめなければ夢はかなうぞ。おまえならできる」

オリンピックに出場がかなったアスリートも、テレビや雑誌などで盛んに連呼する。
「私は諦めずにやり続けました。だからここに立てたのです」

実際は、勝者の背後には数えきれないほどの敗者がいる。多くの人は、がんばったのに成功しない敗者側に回らざるをえない。
「やめなかったからこそできた」

こう主張する少数派の言葉に嘘はないが、現実の社会においては、はるかに敗者のほうが多いという事実はわかっておくべきだ。

「400mハードル」という競技でオリンピックに3度出場した『勝者』であり、かつ、10代のころに「100m」を諦めて「ハードル」に転向した『敗者』である為末さんの言葉だ。

彼は別の項で、こうも言っている。

「できないことの数が増えるだけ、できることがより深くなる」

プロ野球においても、野村監督のような指導者から「君には向いていない」とキッパリ告げることは、非常に重要な意義を持つのであろう。

「諦める」とは「明らめる」ということである

ここまで読んで、「今日はいつにも増して後ろ向きだなぁ」などと思ってはならぬ。
誤解である。

たしかに私は、この本を読んでたくさんのことを諦めた。
いや、「諦める決心がついた」と言ったほうが正しい。

なんとなればこそ、いろんなものを諦めた。
「だって、できないんだもん」、
今なら開き直ってはっきり言える。
それこそもう、身軽なこと、この上ない。
軽いカルい♪

もちろん、組織の一員として働いている以上、「できません」と言えないシーンはある。
「何故できないのだ!」と一喝されるシーンも多々ある(と思う)。
そんなときは堂々と(?)面従腹背を決めている。

なにしろ、もう少しちょっとだいぶ前から自分の能力については限界点が把握できているのだ。
それが、そんなに上の方ではないことも知っている。

だが、「それがどうした!」が今の心境だ。
上に行くことだけがシアワセなのではないはずだ。

実は為末さん、この本の冒頭で既に結論を書いていらっしゃる。
引用しよう。

辞書を引くと、「諦める」とは「見込みがない、仕方がないと思って断念する」という意味だと書いてある。しかし、「諦める」には別の意味があることを、あるお寺の住職との対談で知った。
「諦める」という言葉の語源は「明らめる」だという。
仏教では、心理や道理を明らかにしてよく見極めるという意味で使われ、むしろポジティブなイメージを持つ言葉だというのだ。
そこで、漢和辞典で「諦」の字を調べてみると、「思い切る」「断念する」という意味より先に「あきらかにする」「つまびらかにする」という意味が記されていた。それがいつからネガティブな解釈に変化したのか、僕にはわからない。しかし、「諦める」という言葉には、決して後ろ向きな意味しかないわけではないことは知っておいていいと思う。

こんな大事なことを、「はじめに」の段階で惜しげもなく披露している本は、間違いなく良書だと言っていいと思う。

「だからね、私はコレがやりたいの!」って言える人間は強いんだな

もし万が一、なにかの間違いでこのブログに10代・20代の若者が迷い込んでくるとも来ないとも限らないので言っておく。
最低限の努力というものも必要なのだよ、諸君。
ちょっとだけ上から目線で言わせてもらおうかな。

もう一度、為末さんの言葉を紹介する。

「踏ん切りをつけるタイミングについては、この瞬間という明確なものはない。あえて言うのであれば、やはり「体感値」でしかないのではないか」

説明用の引用だ。

「ハードルを全力で飛ぶと、自分で思っているよりももっと高く飛べるんだということもわかるし、今の自分では飛べない高さがあることもわかる。人間は本気で跳んだときに、自分の範囲を知る。手加減して飛べば本当はどのくらい飛べたのかがわからない。だからいつも全力でやってほしいと子どもたちに言っている。
(中略)
転ぶことや失敗を怖れて全力で挑むことを避けてきた人は、この自分の範囲に対してのセンスを欠きがちで、僕はそれこそが一番のリスクだと思っている」

わかったかね? 諸君。
若い頃は全力でぶつかっていくのだぞ!

オジサンは?
無茶を言うでない。

オジサンには君たちのような回復力はない。
無茶の代償は長引くのだ。

更に上から目線を続けるならば、オジサンには「認識力」と「判断力」が若者よりも上積みされている(はず)なのだ。

「回復力」は若い人の特権であり、「認識力」と「判断力」はオジサンの特権なのだ。
そうして、「やりたいこと」と「できること」がハイレベルに統合されさえすれば、「できませーん」が華麗にして正当な免罪符の役割を持つのであ~る!!!

あ~、何の話だったか・・・酒が回ってきた。
つまるところだな、私はプログラミングと自転車とカメラとチヌ釣りをやるから、そこんとこヨロシク!!

・・・と、
まとまりそうなところでアルコールがまとまってきたので蛇足しよう。

前回の堀江さんの記事は、WordPressで書く前にメモ帳で下書きをした。
だが、やはり! というべきか、イマイチ!! な仕上がりでしかなかった。

そこで今回は「紙とペン」で構成を練ってみた。
結果は言わずもがな、このブログを御覧じろ、である。

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ところで、京極夏彦という作家をご存知だろう。
長編推理小説の売れっ子作家である。

いやほんと、彼の作品は非常に長いので有名だが、なんとなんと京極さん!
下書きを一切しないのだそうな!!

本人がそう言っていたので間違いはない。
「何かカタチにするときは全てそれが最終形」みたいな感じなのだそうだ。
もちろん推敲はするだろうけどね。

もう一つ、同じく売れっ子長編推理小説作家の宮部みゆきさん。
こちらは連載が苦手なのだそう。
もう何しろ、苦手すぎて連載の打ち切りなどという事態も経験済みとか。

まぁ要するにね、いろんな方法を試しながら今後も執筆を続けたいなと、そういうところで、お後がよろしいようで(ちゃんちゃん)。

      

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