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写真好きブロガーとしてジャーナリストの犠牲を無駄にしないために

      2015/07/16

まずは、過激派の手によって無念の死を余儀なくされた湯川遥菜さん・後藤健二さんのご冥福をお祈りします。
さて、この件に関して写真とブログが好きな自分としても、ちょっと真剣に考えてみたいと思います。
理屈はどうあれ、ブログってジャーナリズム的な側面を持つと思うので。

きっかけとなったのはこちらの記事です。
「後藤さん殺害事件で「あさイチ」柳澤キャスターの珠玉の1分間コメント」

若者言葉ならば「神コメント」と言うのだろう。
偶然、テレビからそんな言葉が聞こえてきた。
NHKの「あさイチ」で、メインキャスターの有働由美子、井ノ原快彦の2人の横でどぼけたオヤジギャクを時折飛ばす柳澤秀夫解説委員。
ふだんは温厚で駄洒落好きのちょっとズレた中年男性という役割で発言するが、今朝は冒頭から違った。
有働、井ノ原の「朝ドラ受け」をさえぎって、以下のようにコメントしたのだ。

もとはYahoo!ニュースに掲載された記事がハフポスト日本版に転載されたものです。
これまで、私は正直いってこの手の事件にあまり興味がありませんでした。
自分から危険な地域に出向いて行って捕まって、周りに迷惑をかけまくる人たちの神経が理解できなかったからです。
自己責任などというつもりはさらさらありませんから、そこは勘違いしないでくださいね。
国民を救出する責任は国(政府)にあります。

今は、戦場で働くジャーナリストという人たちの存在がいかに貴重なものなのか、まったく知らなかった自分が恥ずかしいです。
柳澤さんのコメントに関しては、ぜひ上記のリンクから全文を読んでいただければ嬉しいのですが、最後の一文を紹介します。

われわれ一人ひとりにできることというのはものすごい限界があるんですけど、この機会にそういうことを真剣に考えてみてもいいのでは・・・。
それが後藤さんが一番、望んでいることじゃないか。そう思ったものですから、冒頭なんですけど、ちょっとお話をさせてもらいました。

1分程度の短いコメントになぜか心惹かれたので、私も真剣に考えてみることにしました。

戦場で凶弾に倒れたジャーナリストは過去にもけっこういる

2004年にイラクで襲撃された橋田信介さんと小川功太郎さん。
2007年にミャンマーで銃撃された長井健司さん。
2010年にバンコクで撃たれた村本博之さん。
2013年にシリアで銃撃された山本美香さん。
合計5人です。
この他、消息不明ではありますが、殺害されたと見られているのが1973年にカンボジアで行方不明になった一ノ瀬泰造さんです。
アンコールワット遺跡に潜入しようとして消息を絶ったあと、遺体で見つかりました。

皆さん、フリーのジャーナリストで、どこか大手の新聞社からの派遣ではありません。
自らの意志で戦地に赴き、悲惨な現状を私たちに伝えようとしたジャーナリストです。
こちらのまとめが便利です。

「危険を顧みずに海外取材する戦場カメラマンたちの姿NEVERまとめ」

今でも活躍している戦場ジャーナリストとしてよく耳にするのが「志葉玲」さんですね。
歯に衣着せぬ物言いで、この人の文章を読んでいて溜飲を下げる思いをすることもしばしばあります。

敬愛する写真家「小原玲」さんも、元は戦地や紛争地で写真を撮る報道カメラマンでした。
思うところあって今は動物写真家に転身されています。

彼らがなぜ戦地に向かうのか?
不思議でならなかったのですが、渡部陽一さんのオフィシャルサイトに載っている『戦場カメラマンになった理由』を読んで、非常にリアルに理解することができました。
渡部さんはテレビのバラエティー番組にもよく出演されているようですね(私はバラエティー番組は一切見ないので知りませんが)。

アフリカの原住民族を写真に収めたくてジャングルを移動中、いきなり銃を持った少年ゲリラに襲撃されたのだそうです。
本当に幸運にも命を取られることはなく生きて帰ることができましたが、それを知り合いに伝えようにもまったく理解してもらえない。
あまりにもかけ離れた世界での出来事であり、理解しろというほうが無理な状況でした。
そこで、自分で観たものを写真に撮って持ち帰ることでなんとか伝えようと思ったのが戦場カメラマンになった理由です。

詳しくはこちらのサイトから「プロフィール」に飛んでください。
『渡部陽一オフィシャルサイト』

閑話休題じゃないけど、言葉を整理してみた

この辺まで調べていて自分でちょっとこんがらがったので調べてみました。
「戦場ジャーナリスト」と「戦場カメラマン」、どっちを使うのが正しいの?

志葉さんは「戦場ジャーナリスト」として紹介されることがよくあります。
渡部さんは自分のことを「戦場カメラマン」と呼んでいます。
「ルポライター」という職業もあります。

このブログではできるだけ正確に言葉を選びたいので調べてみました。
要約すると、起こった事実を正確に記録する人がルポライターで、自分の見解を加えながら解説する人がジャーナリストのようです。
こちらを参考にしました。
『CareerGarden』

「戦場カメラマン」については、それらしい資料がヒットしませんでした。
「ジャーナリスト」との違いは、「ごちゃごちゃと言葉を並べるんじゃなくて、とにかく一枚の写真に命をかける人」とでも考えればよいでしょうか。

ついでですが、ビデオカメラ(動画)とスチールカメラ(静止画)を区別するために、英語では動画のほうを「カメラマン」と呼び、静止画のほうは「フォトグラファー」と呼ぶそうです。
また、ジェンダー的な立場から、動画のほうを「ビデオグラファー」と呼ぶ動きもあるそうです。

ついでのついでになりますが、もうひとつ言葉の解説を。
このブログでは「」カギカッコと『』二重カギカッコを明確に使い分けています。
ひとつは「」の中のカッコが『』。
もうひとつ、ちょっと強調したいときに使うのが「」で固有名詞を表すのが『』です。
物書きの勉強をしているときに習ったので、それ以来けっこうこだわっています。

戦場ジャーナリストが伝えようとしているもの

ちょっと余談が長くなりました。

戦場ジャーナリストが伝えようとしているものは何なのか?
こちらの動画を見ていただければとても良くわかります。

『戦場に咲いた小さな花 山本美香という生き方』
NNNドキュメントで2012年に放送されたものです。
(どうやら動画が著作権に引っかかったようでリンク先は削除されています。あしからずご了承ください)

ただこの動画、45分あって非常に長いので、時間のない方はこちらの「まとめ」をお勧めします。
『戦場記者・山本美香さんが伝えようとした戦争と平和NEVERまとめ』
つまるところ、「戦地で苦しんでいる市井の人々の苦労や訴えをなんとか伝えたい」というものです。

そうなんです。

戦争は、なにも大海原や砂漠やジャングルだけで行われているものではないんです。
普通に人が暮らしている市街地でも起こっているのです。
現代ではむしろそういった状況のほうが多いでしょう。

そんな、生活の場を戦場に変えられ、戦争から逃れられない人たちの苦しみを伝えることで、少しでも戦争を早く終わらせたい。
そんな思いが山本さんを突き動かしていたんですね。

戦地や紛争地で起こっていることに私たちが無関心でいることがどういう悲劇を生み出しているのか?
今回、一番考えさせられたのがこちらの記事です。
『イスラム国による日本人人質事件 今私たちができること、考えるべきこと』

これまた長ーい文章です。
今回のエントリーでは、あちこちからリンクを張っているので、丁寧に読んでいただける方は大変だと思います。
すみません。
一番読んでほしいところだけ引用します。
これまた長いですが。

日本人の目が一人の人質の生死の一点に注がれてきたこの一週間、現地ではどんなことが起きていたのだろう。
国連関係者によれば、イラクでは1月21日から27日の一週間で、紛争関連で794人が死亡、825人が負傷したという。
例えば、イラク・ディヤラ州バロアナ村では今週、シーア派民兵がスンニ派の非武装の72人の住民を虐殺した。
「IS掃討」「テロとの戦い」という名のもとに、イラク治安部隊とシーア派住民が無抵抗のスンニ派住民を殺害する事態が拡大し、ほぼ「民族浄化」とでも言えるような重大な人権侵害が進行中だ。そして、ISによる人権侵害の被害もあまりにも凄惨で残虐である。
こうした事態に全く心を寄せずに、日本人の釈放だけを求める訴えを繰り返すならば、現地で共感を呼ぶことはないであろう。

(中略)

ISの幹部たちは、イラク出身、特にサダム・フセインの旧バース党関係者が固めている事で知られている。旧バース党、そしてスンニ派は、イラク戦争後のイラクで徹底的に弾圧され、殺戮された。
イラク戦争はあまりにも過酷な人権侵害をイラクの人びとにもたらし、幾多の血が無残にも流され、人々は虐殺されていった。
米国の占領政策に反対する人々は次々と投獄され、拷問を受けた。アブグレイブのようにイスラムの人びとの尊厳を徹底して辱める性的拷問も行われた。
アンバール州ファルージャでは2004年に2度の大虐殺が行われ、残虐兵器を用いた虐殺で多くの民間人が犠牲になった。このほか、ファルージャを含むイラクの多くの地域で、米軍等が使用した有害兵器の影響で先天性異常の子どもたちがたくさん出生し、苦しみながら亡くなっている。
しかし、だれもイラク戦争の責任を問われない。イスラムの尊厳を傷つけた拷問の数々の責任を問われない。
そして、イラク戦争後に勃発した宗派間対立で、スンニ派住民は徹底的に、シーア派マリキ政権主導の血の弾圧を受け、大量に殺害されていった。イラク内務省直属の殺人部隊によって反政府的なスンニ派は次々と拘束され、処刑され、路上に見せしめのように死体が打ち捨てられた。
しかし、こうした事態に対して、占領統治をしていた米国は黙認、国際社会も本当に無関心であった。

結局、世界の無理解無関心が過去に例を見ない残虐なテロ集団を産んでしまった、ということなのではないでしょうか。

まとめ 「テロに屈しない」ためにするべきこと

喧嘩っ早い人って、いますよね。
理屈や理論で話し合うのなんて大嫌いな人、暴力で相手をねじ伏せたい人、チカラで服従させることに喜びを感じる人。
人間が性として持っている部分だと思うので、一定数は存在しても仕方ないというか、存在する必要があるから存在するのかもしれません。
要は、そういう人たちに拳を振り上げさせないことが大事なんじゃないかと思うのです。
わけもなく暴力をふるうのは、さすがに誰でも遠慮するでしょう?

いま私たちにできることは、戦地や紛争地で起きている悲惨なことから目を背けないこと。
戦場ジャーナリストたちが命がけで発信している事実を、きちんと受け止めて周りにも広めていくこと。
そうして、暴力に頼らない平和な世界をあきらめずに実現していくことこそが、本当の意味での「テロに屈しない」ということだろうと、結論に至りました。

ヨルダン人パイロットはとても気の毒なことになりましたね。
ご冥福をお祈りします。
でもだからといって、血で血を洗う報復合戦を繰り返しているのでは、絶対に解決はしないと思います。

また、今回後藤さんがISISに潜入したのはやはり間違いだったと思います。
政府からも再三止められたようですし、現地のガイドも怖がってついて来なかったんですよね。
湯川さんを助けたい、無理とわかっていてもじっとしていられない。
そんな気持ちもわからないではないですが、あまりにも危険過ぎるうえ、目的を達成できない可能性が高過ぎると思います。
どこかで判断を誤ったんでしょうね。
本当に残念です。

せめて後藤さんが残した本を読みたいと思ってAmazonに行ってみたら・・・
すべて「売り切れ・入荷待ち」でした。

はい、私が偉そうに言うよりも世間の動きのほうが早かったようです(^^ゞ
謙虚に生きましょう。

おしまい。

      

 - ブログ, 写真・カメラ, 政経・倫理

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