「ただ走ってナニが面白いんか?」
って言う人、いますね。
特に球技などが得意なスポーツマン。
マラソンランナーを嘲笑っているわけではないんでしょうが、
(いや、笑ってるのかな?)
でもそれ、正解です。
『Born to Run』
人が走るのは、まさに生きるため。
レジャーのために身に付けた能力ではないんです。
石器や弓矢が発明されるはるか昔から、人類は肉を食べていました。
武器は自分の「脚」。
古代の人達は、ただ走ることで獲物を追い詰め、生きる糧を得ていたんですね。
どういうことか?
地上に存在する動物を集めてマラソンをしたら人間が一番早い、
という話を聞いたことがある人もいるでしょう。
それです!
その仕組みを、過程を、結果を、
非常に詳しく、科学的にも歴史的にも解明してくれる本です。
ネタバレになるのでこれ以上書けません(笑)
内容は、走ることの喜びを現代に受け継いだ寡黙な民族と、
アメリカの現代社会からはみ出したウルトラランナーたちの、
想像を絶する過酷な長距離レースを題材にしながら、
慢性的な膝の故障を抱えるランナーを主人公にした物語です。
ウルトラマラソンを通して、
人類が勝ち得た「走る能力」の謎を解き明かしていきます。
実話なのに、造り物の小説を超えた感動があります。
面白いです。
Amazonのレビューでは「読みにくい」という評価が多数ありますが・・・
はて? 全然そんなことはありませんねぇ?
たしかに、話が色んなところに飛んだり、
関係ないスポーツを例え話に引っ張りだしたり、
登場人物や民族をアダ名で呼んだりする場面が多数ありますよ。
でも、そんなものは長編小説では当たり前のこと。
「人間」と書いて「マグル」とルビをふれば読みやすいんでしょうが、
『ハリー・ポッター』の原文(英文)にそんなものは付いてないでしょう?
読み慣れている人にはなんの問題もありません。
ぜひ、ご一読ください。
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