アメリカ行 その13

NPT

4日目(4月30日)
公開シンポジウム(ちょっと長めの報告ですが、一気に行きます)
この日は、午前中ニューヨークの街頭で署名行動の予定でしたが、あいにくの雨と風で中止しました。
タクシーで公開シンポジウムの会場近くまで移動したあと、どれを選んでも甘すぎるパンとジュースで昼食をとり、同時通訳用のレシーバーを受け取って会場に入りました。
会場となったセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂は、築100年、1万人収容の巨大で壮麗な建物です。ここに、各グループに分かれて行動していた日本原水協からの参加者830人が、初めて集合しました。
はじめに、この場を私たちに提供してくれた国際平和ビューロー会長のコーラ・ワイズさんがあいさつに立ち、「日本の憲法9条を世界の国に広げなくてはならない」と発言されました。司会進行は日本原水協事務局長の高草木博さん。パネリストはエジプトの国連大使マゲド・アブデラジズさん、翌日のパレードと集会「アボリッション・ナウ!」の責任者で核廃絶2000全米コーディネーター代表のジャクリーン・カバソさん、アメリカンフレンズ奉仕委員会のジョゼフ・カーソンさんです。
(←パネリストたちです。暗いのでブレブレ。おまけに燭台が邪魔。すみません)
はじめにアブデラジズさんが、「NPTは国連でも重要な柱になっている。今回の再検討会議での懸念事項は三つ。核保有国は前回確認した「明確な約束」を時間的期限を設けて実施すること。CTBT(包括的核実験禁止条約)の発効。三つ目が非核国への法的拘束力を持った安全保障。これは特に中東で重要だ。また、アメリカの単独主義に反対し、非核地帯を広げていくことが必要だ。核実験をしている国や、新たに核兵器を作った国には査察が入らないといけない。そのためにもIAEA(国際原子力機関)は科学技術に基づいた独立した組織であることが重要だ」と述べました。
次にカバソさんが「はじめに、広島・長崎に個人的に謝罪したい。核兵器を正当化できる根拠は何もない」と述べ、「アメリカは信頼できる核をほしがっている。そのために2087年まで核弾頭の寿命を延ばそうとしている」などと「明確な約束」を守らないアメリカの態度を非難。さらに「希望を死に絶やさないことは重要だが、今回の再検討会議はあまり期待できない」と述べました。
(←830人が集結しています。奥のステンドグラスをきれいに入れようと思ったら、さらに暗い写真になりました)
3人目のカーソンさんは「核廃絶のために、皆さんのあらゆる助けが必要だ。21世紀は人類が生き延びるかどうか、最後のチャンスだ。これまで30回も核兵器を使おうとしてきたアメリカは、核の優位性しか興味がない。すべての帝国には『台頭』と『没落』があるが、ニューヨークタイムズには『もはやアメリカはそう長くない』と書かれていたし、CIAも『あと15年の間に中国とインドが大きくなり、アメリカは相対的に力を失っていく。もはや昔のように力を誇示できないだろう』との見解を発表している。アメリカの平和運動は、全体主義との戦いであることを自覚しなくてはならない。今日ここに800人集まったことは、アメリカにとっても大きな力になる。必ず夜明けは来る」と発言されました。
質疑応答では、「非暴力による運動にどんな効力があるのか?」「私たち一人一人にどんな活動が出来るのか?」などの質問に対し、「300万の署名を集める力は大きなエネルギーになる。核廃絶のために何をしていいのか知らない人は多いが、イラクでアメリカ人が核の犠牲になっていることなどが教訓になるはずだ。軍事力に対抗するには国連を通すこと。単独で勝手な行動を起こさせないことだ。非暴力は私たちの運動の核となる」などの発言がありました。
13時30分から16時まで、あっという間の2時間半でした。

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