写真は今朝の中国新聞です。
81歳、膵臓がんだったそうです。

週刊少年マガジンで『釣りキチ三平』の連載が始まったのが昭和48年。
連載は10年間続きました。

私が釣りを始めたのが小学校3年生、昭和52年頃ですね。
どこか知らない川で、竹の延べ竿に浮き仕掛け。
餌は「うどん」でした。
なんにも釣れませんでした。
これが最初の「釣りの記憶」です。
その後、「栗虫」やミミズなどのちゃんとした餌を使うようになってからは、ハヤやオイカワをたくさん釣ることができました。

『釣りキチ三平』を読むようになったのがいつ頃なのか記憶にありません。
小学生時代に友人と回し読みしていたのは覚えています。
一番好きで何度も読み返したのが、コミックでは4・5巻に掲載されている『三日月湖の野鯉』編です。

クライマックスの巨鯉を釣り上げるシーンも好きでしたが、それ以上に物語のはじめ、フナとコイを対象魚とした釣り大会のシーンが一番のお気に入りなんです。

「釣りはフナに始まりフナに終わる」と昔から言われています。
竹竿一本で仕掛けや餌に工夫をこらし、魚との頭脳対決に集中する瞬間が釣りの醍醐味ではないでしょうか。

何日も前から撒き餌を撒いて魚を誘導することもあります。
「コイは一日一寸」などといいますね。

自分の力ではどうにもならない大自然に立ち向かいながら、ときに思いがけない成果を上げることもできる。
そういった釣り本来の楽しみが凝縮されているのが、この釣り大会から巨鯉との格闘への描写ではないかと思います。

他にも、三日月湖の周りに広がる日本の原風景や、三平くんがお邪魔するお祖母ちゃんの昔ながらの古民家など、とっても魅力に溢れた描写も私達を惹き付けてやみません。

また一平じいちゃんの哲学も素敵でした。
勉強になりました。
例えば同じコミック4巻に出てくるこのシーン、

今だと「どこで釣れた」という情報をネット上にアップしたりすると、たちまち人が溢れて釣り場があれてしまい、釣りにならなくなると聞きます。
だからYou Tubeなどに釣り動画をアップしている人たちも、決して細かい場所まで公開することはありません。
なんとなく、寂しいですよね。
「釣り人に悪人は居ない」と言われたのは、遠い過去の話になってしまったようです。

中国の古い言い伝えに「一生、幸せになりたかったら、釣りを覚えなさい」という言葉があるそうです。

私に釣りの楽しみを教えてくれた矢口さんの一生が幸せであったことを願いつつ、ご冥福をお祈りします。
そして、ありがとうございました。